3行でいうと

  • Aqua Voice、Superwhisper、Wispr Flowは、話した言葉を文字にして、カーソルのある場所へ入れる音声入力アプリ。
  • 無料枠は、Aqua Voiceが1,000語まで、Wispr Flowが週2,000語(パソコン、通知が出る目安。止まるのは5,000語)。Superwhisperはパソコン内のモデルなら使い放題。
  • 声の行き先が違う。Wispr Flowは文字起こしを必ずクラウドで行い、Superwhisperはパソコン内のモデルだけなら外に出ない。
  • 3つとも、日本語の精度はこの記事では確かめられていない。

AIへの指示は、長くなるほど良い結果が出やすい、と言われます。でも、スマホやパソコンで長文を打つのは面倒です。そこで、話すことを文字にするアプリを使い、その文字をAIの入力欄に入れる、という使い方があります。

この記事は、Aqua Voice(アクア・ボイス)、Superwhisper(スーパーウィスパー)、Wispr Flow(ウィスパー・フロー)の3つを、公式の文書で確かめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は公式の文書を読んでまとめたものです。手順は「文書から組み立てた想定」です。僕らの考えは「見立てです。」で始まる段落に分けました。

音声入力アプリの全体像は、音声と音楽のAIの地図の記事に書きました。この記事は、その3つを「AIに話しかける道具」として掘り下げます。

先に結論

それぞれ何か
項目 Aqua Voice Superwhisper Wispr Flow
対応機器 Mac、Windows、iPhone、Android 10以降 macOS 14以降、Windows 10・11、iOS、Android Mac、Windows、iPhone、Android
無料 1,000語まで(期間の記載は確認できていません) 自分のパソコン内のWhisperモデルは使い放題。AIを使わないモードは2つまで パソコンは週2,000語で通知が出て、5,000語で止まる。iPhoneは550語で遅くなり750語で止まる。Androidは1,000語で遅くなり1,500語で止まる
有料(個人) Pro 月8ドル(年払い)/月10ドル。Max 月24ドル(年払い)/月30ドル Pro 月8.49ドル/年84.99ドル/買い切り249.99ドル Pro 月15ドル/年144ドル(月12ドル相当)
日本語 対応言語49のなかに記載あり 100以上の言語。日本語の個別の記載は確認できていません 100以上の言語。日本語は「ほかの主要な言語」の群
声の処理 クラウド(ネット接続が必要)。オフラインは機種や版による 自分のパソコン内、またはクラウドを選べる 必ずクラウド

金額は、各社の公式の料金ページ(2026年10月22日確認)で、米ドルの表記です。Aqua VoiceとWispr Flowの料金ページには通貨や税の記載が見当たらず、通貨名の明記は確認できていません。Wispr FlowのProは、料金ページ(月払いで月15ドル、年払いで月12ドル相当)と、ヘルプの記事(月15ドル、年144ドル)の2か所で、10月22日にも確かめました。Superwhisperの月8.49ドル、年84.99ドル、買い切り249.99ドルは、10月22日にプランの説明のページで確かめました(10月8日に確認した公式サイトの表示は、10月22日には読み直していません)。Aqua VoiceのPro、Maxの金額は、10月22日に料金ページで確かめ直し、10月8日と同じでした(日本語ページは10月22日には読み直していません)。

そのほか、3つの料金には次の特徴があります。

  • Aqua Voice:学生は70%引き。法人向けBusinessは1席月19ドル(年払い)で、2席から。
  • Superwhisper:Proの機能を3,000語まで無料で試せます(10月22日のプランのページでも確認)。30日以内の返金に対応という記載は、10月8日に読んだものです。10月22日のプランのページには、返金の期間は書かれていませんでした。ライセンスは、Mac、Windows、スマホを含む自分の機器に使えると、10月22日のページにあります。
  • Wispr Flow:10月8日は、ヘルプのページにFree、Pro、Student、Business、Enterpriseの5つが載り、料金ページには「Growth」があって、名前が食い違っていました。10月22日は、ヘルプも料金ページも「Growth」で、ヘルプにBusinessは見当たりませんでした。料金ページでは、Growthが1人あたり月23ドル(年払いで月18ドル相当)、ヘルプでは、Notetaker付きのGrowthが月33ドル(年払い312ドル)です。Enterpriseは問い合わせです。Studentは、料金ページが教育用のメールで50%引き、ヘルプは価格を載せていません。

なぜ組み合わせるのか:役割分担

段階 誰がやるか
声を文字にする 音声入力アプリ
余計な言葉を取り、整える 音声入力アプリ(AIによる整形を持つもの)
考えて、答える ChatGPT、Claudeなどの、AIサービス

見立てです。音声入力アプリは、AIの手前にある「口」だと思います。AIの賢さとは別に、「どれだけ手間なく指示を渡せるか」を決める道具です。

Wispr Flowの公式ページには、人はAIに話すとき、打つときより多くの文脈を伝える傾向があり、結果が良くなる、という主張があります。これは同社の主張で、この記事では確かめていません。

つなぎ方:公式に書かれた範囲

共通の仕組み:カーソルの場所に入れる

3つとも、特別な連携がなくても、「カーソルのある場所に文字を入れる」ことで、AIの入力欄にも使えます。

最初の1回(文書から組み立てた想定)

  1. アプリを入れる。Superwhisperなら、Macでは「マイク」と「アクセシビリティ」の許可を求められます(マイクは録音、アクセシビリティは他のアプリに文字を貼るため、と公式にあります)。Windowsはマイクの許可です。
  2. 言語を日本語にする。Wispr Flowなら、MacとWindowsで「Settings」の「General」から言語の「Change」を押します。公式は、話す言語だけを選ぶ方が正確で、自動判定は不確かなことがある、と書いています。Aqua Voiceは設定で言語を選び、自動判定にもできます。
  3. AIの入力欄をクリックして、ショートカットキーを押す。Superwhisperの標準はMacで Option+Space です。押して話し、もう一度押して止めます。
  4. 文字が入ったら、送信する前に読み返す。

Wispr Flowの公式ページは、内蔵のマイクで十分で、AirPodsなどのBluetoothイヤホンは勧めない、と書いています。

アプリごとの「AIへの手助け」

ここから先は、アプリごとに違います。

Wispr Flow:Command Mode(コマンドモード)。 声で、入力欄の文章を直したり、返信の下書きを作らせたり、検索したりする機能です。標準ではオフで、「Settings」の「Experimental」でオンにします(10月22日にヘルプで確認)。ヘルプには、Proなどの有料の個人プラン、試用中の人、法人プランが対象で、Freeでは反応しない、と書かれています。ショートカットを押している間に指示を話し、離すと実行されます。このとき、入力欄の中身と、選んだ文章が、指示とともに送られると書かれています。声で呼び出す決まり文句は英語のみです。

Superwhisper:モードとエージェント。 声の処理に、AIによる整形を組み合わせる「モード」があります。メッセージ、メール、メモ、会議用などがあり、自分で指示を書く「カスタム」では、GPT、Claude、Llamaなどのモデルを選べると、公式のページにあります。「スーパー」と「カスタム」は、使っているアプリ、コピーした文章、選んだ文章を参考にできます(Proが必要)。

さらに、Macだけの機能として、「Agent Plugins」があります。Claude Code、Codex、Cursorなどのコーディングエージェントに、Superwhisperを接続する小さなプラグインを入れる形です。10月22日の公式のページでは、対象はClaude Code、OpenCode、Codex、Cursor、Pi、Grok、DeepSeekで、今はmacOSだけと書かれています。Cursorはアプリの画面から入れる方法だけです。できることは公式で3つです。エージェントが質問したとき、声で答える。エージェントが終わったとき、通知する。許可が要る作業を、声で承認・拒否する。Superwhisperの設定(Settings、Configuration、Advanced settings)の「Agent Plugins」から入れます。

Aqua Voice:Realtime Modeと「Send it」。 公式の料金ページによると、Maxプランに、話しながら文字が見えるRealtime Modeと、「Send it」という声の命令が付きます。ProにはCustom Instructions(書き方の好みの指定)と、広げた辞書が付きます。サイトには「Aqua MCP」「Aqua CLI」という言葉も出てきますが、詳しい説明は読んだページにありませんでした。確認できていません。

見立てです。Superwhisperの声による承認は、聞き間違いで許可を出してしまう危険があると思います。公式にそうした注意の記述は、読んだ範囲では見つかりませんでした。

声はどこへ行くのか

音声入力アプリは、あなたが話すことをすべて受け取ります。この点が一番大事です。

アプリ 公式に書かれていること
Wispr Flow 文字起こしは必ずクラウド。「クラウド保存」の設定は、文字、音声、履歴をWispr側のサーバーに残すかを決める、とデータ管理のページ(10月22日)にあります。音声が文字になったあとに消える時期は、このページには書かれていませんでした(10月8日は、消えると読んでいました)。「モデルの改善に使ってよい」の設定(Improve the model for everyone)をオフにすれば、学習には使われない。入力欄の周りの文章を使う「文脈の認識」は、設定でオフにできる。ただし、アプリ名は書式のために常に使われると書かれている。入力欄の周りの文章も、大文字小文字やCommand Modeの編集に使うと書かれているが、文脈の認識をオフにしても続くのかは書かれていなかった。「モデルの改善に使ってよい」の設定は、以前は「Privacy Mode」という名前で、動きは同じ、とも書かれている
Superwhisper 声のモデルも言語のモデルも自分のパソコンの中のものにすれば、音声も文字も外に出ない。クラウドのモデルでは、各提供元との契約で、保存せず、学習にも使わない、と書かれている。ただし、これはAPI経由の場合。自分のAPIの鍵を持ち込む場合は、あなたと提供元の契約になる
Aqua Voice クラウドの書き起こしにはネット接続が必要。プライバシーポリシーには、プライバシーモードを無効にしている場合、サービス改善のために文字データを保存することがある、と書かれている。AIの学習への利用は、読んだ範囲に記載がない。Businessプランは、データを残さない契約(ZDR)が付く

見立てです。外に出したくない話(家族のこと、取引先のこと、病気のこと)は、Superwhisperのパソコン内だけのモデルで使うか、そもそも話さない、のが安心だと思います。ただし、パソコン内のモデルの日本語の精度は、この記事では確かめていません。

Wispr Flowの記事には、Notetaker(会議の記録)の文章は、同期のためにクラウドに残る、とあります。

向く人・向かない人

見立てです。向きそうなのは、次のような人です。

向かなそうなのは、次のような人です。

つまずきやすい点

気をつけること

出典

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