3行でいうと

  • 見立てでは、応募書類でAIが向くのは、自分で書いた下書きを直してもらう、経歴を整理する、面接の質問を出してもらうことです。
  • 応募書類は個人の情報のかたまりです。AIに入れる前に必要な部分だけにして、名前などは伏せるのが基本だと思います。
  • AIはもっともらしい間違いを出すことがあります。経歴や資格を勝手に足していないか、1行ずつ見てください。
  • 履歴書の書式は、厚生労働省の「履歴書様式例」を見るのが確かです。AIの雛形が同じ項目かは、自分で確かめます。

この記事は、公式の文書を読んでまとめたものです。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。手順は公式の機能の説明から組み立てた想定です。僕らの考えは「見立てです。」で始めて、事実と分けて書きます。就職や転職の個別の判断、法律の判断は、ハローワークや専門家に相談してください。

先に結論

使える道具の候補

公式のヘルプで確かめた3つです。2026年10月22日に読み直した時点のものです。

道具 書類を読ませる方法(公式の記載) 無料でどこまで 入力した内容の扱い(公式の記載)
ChatGPT(OpenAI) 入力欄から画像やファイルを追加できる。画像は1枚20MBまで 文字の会話は、悪用を防ぐ制限つきで無制限。ファイルの入力などには別の上限があるが、数字はなし 個人アカウントは、設定の「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話は学習に使われない。一時的なチャット(Temporary Chat)は学習に使われないが、安全のため最長30日保持されることがある
Claude(Anthropic) PDF、DOCX、TXTなどを追加できる。チャットでは1ファイル500MBまで、1回のチャットで20ファイルまで(30MBはプロジェクトに入れるファイルの上限と書かれている) 5時間ごとに戻る使用量の枠。ファイルの追加が無料でできるかは、読んだページに書かれていません 個人向けは、会話を改善に使うかどうかを利用者が選ぶ。使う設定のとき、匿名化して最長5年保持されることがある。履歴に残らない「Incognito chat」は学習に使われない
Gemini(Google) 無料プランの欄に、ファイルの追加は書かれていませんでした(確認できていません) 米国向けの料金ページで、無料は0ドル。画像の作成と編集、Deep Research、Gemini Live、Canvasなどが含まれる 人間の確認者が一部の会話を読むことがあり、確認された会話は最長3年保存される。「確認者に見られたくない内容は入れないで」と書かれている

Microsoft CopilotとGoogle ドキュメントの文章作成の機能は、今回読んだ公式ページでは、応募書類に使えると確かめられませんでした。Copilotは、無料の基本版があると読んだページに書かれていますが、使える量の数字はなく、文章を整える手伝いやメール・SNS投稿を作る手伝いは書かれていても、応募書類に使えるとは書かれていません。Googleドキュメントの機能も、試験的な機能の案内に「ブログ記事や計画書の下書き」とあるだけでした。

最初の1回のやり方

これは公式の機能の説明から組み立てた想定です。

  1. 先に自分で下書きを書く。 箇条書きでもかまいません。「どんな仕事を、何年やったか」「何を工夫したか」「何がうまくいったか」を、自分の言葉で。AIに「ゼロから書いて」と頼むより、自分の事実がもとにあるほうが、間違いに気づきやすいと思います。(見立てです。)
  2. 個人を特定できる部分を、先に置き換える。 自分の名前を「私」に、会社名を「A社」に、上司や同僚の名前を「上司」に、住所や電話番号、メールを消します。
  3. AIに頼むことを、短く決める。 たとえば、次のような頼み方です。
  4. 「以下の経歴を、採用担当者が読みやすい順番に並べ直して。事実は変えないで」
  5. 「この志望動機の文章を、同じ内容のまま、200字に短くして」
  6. 「応募先の求人票の文を貼ります。この仕事で聞かれそうな質問を5つ出して」
  7. 事実が変わっていないか、1行ずつ見る。 年数、数字、役職、資格、成果が、元の下書きと同じか。AIが「売上を30%伸ばした」のような数字や、持っていない資格を、勝手に足していないか。
  8. 名前などを戻して、自分の書類にする。 置き換えた部分を元に戻し、最後は自分の目で読み直します。

面接の練習には、声の会話も使えます。(ChatGPTの声のページは10月22日には取得できず、この段落のChatGPTの記述は10月8日に読んだ内容のままです。)ChatGPTのヘルプには、スマホのアプリでVoiceのマークを押して話しかける方法が書かれています。無料プランは限られた範囲で使え、声の録音は文字の記録といっしょに履歴に残り、30日間保存されます。Geminiは、Androidのアプリで「Live」を押して話す方法が書かれています。

履歴書の書式は、国の様式例を見る

厚生労働省は、公正な採用選考のための「履歴書様式例」を出しています。公式の案内によると、経緯は次のとおりです。

新しい様式例と従来の違いとして、案内には次の2点が書かれています。

また、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」のページには、応募用紙や面接で事業主が求めてはいけないものとして、次のようなものが挙げられています。

見立てです。AIに履歴書の雛形を頼むと、昔の形に近い項目(家族、通勤時間、本籍など)が出てくる可能性はあります。AIの雛形にどんな項目が出るかは、この記事では確かめていません。ただ、もし出てきたら、その項目が国の様式例にあるか、確かめるとよいと思います。応募先から指定の様式を渡された場合は、そちらに従います。

個人情報の入れ方

応募書類は、AIに入れる内容として、いちばん注意が必要な種類だと思います。(見立てです。)

内容 入れ方の目安(僕らの見立て)
氏名、住所、電話番号、メール、生年月日 入れない。必要なときだけ、書類が完成してから自分で入力する
本籍、マイナンバー、パスポートの番号 入れない。そもそも履歴書には要らない
過去の勤め先の名前 「A社」に置き換える
上司、同僚、取引先、顧客の名前 入れない。「上司」「取引先」など役割だけにする
前の職場の社外秘(売上、顧客名簿、未発表の計画) 入れない。会社の決まりに従う
病気や障害、家族の状況 入れない。入れるなら、本当に必要かを先に考える
自分の職務の内容や工夫 名前を伏せたうえで入れてよいと思う。ただし、設定と保存期間を確かめる

理由は、公式資料に書かれています。Googleのページは、確認者に見られたくない内容は入れないよう求めています。OpenAIとAnthropicのページには、学習に使われる設定や、保持の期間が書かれています。学習に使う設定をオフにしても、すでに始まった学習や学習し終えたモデルに含まれたデータは残る、とAnthropicのヘルプに書かれています。

学習に使われない一時的なチャットでも、安全のために最長30日保持されることがあります。個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日)も、入力した個人情報が機械学習に使われることがあるので、リスクを踏まえて判断し、利用規約やプライバシーポリシーを確認するよう書いています。入れる前に確かめるべきことは、別の記事(AIに入れてはいけない情報)に整理しました。

よくある失敗

気をつけること

出典

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