3行でいうと

  • ChatGPTとClaudeの公式資料には、表データの分析でAIがPythonのコードを書いて実行する、と書かれています。ChatGPTのヘルプは、使われたコード、出力、前提を確かめてから頼るよう書いています。GeminiアプリのヘルプにはAIが計算にコードを使うとは書かれておらず、確認できていません。
  • ファイルの上限は、読んだ範囲で違います。ChatGPTはCSV・表計算で約50MB、Claudeは1ファイル30MB(コード実行とファイル作成の機能のページ)と1チャット20ファイル、Geminiは1回10ファイル・各100MBです。行数の上限は、どの資料にも書かれていませんでした。
  • 個人情報の入った表は、渡す前に判断が要ります。個人情報保護委員会の注意喚起は、入力が目的の範囲内か、提供事業者が機械学習に使わないかを確かめるよう求めています。

この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。この記事は、公式のヘルプと文書、国の注意喚起を、2026年10月16日に読み、10月22日に読み直してまとめたものです。僕らの考えは「見立てです」と書いた部分に分けました。

先に結論

前提:用語をそろえる

3つのサービスを、公式の説明で並べる

2026年10月16日に読み、10月22日に読み直したページから、表データに関わる点だけを表にしました。「書かれていない」は、読んだページに書かれていないという意味で、できないという意味ではありません。

項目 ChatGPT Claude Geminiアプリ
対応する表の形式 .xls、.xlsx、.csv(ほかにPDF、json、xmlなど) CSVは標準。XLSXは「Code execution and file creation」を有効にする必要がある ほとんどのファイル形式に対応と書かれ、表計算の形式の一覧はない
計算の仕組み 一部の作業で、PythonをJupyterノートブックで実行 Pythonを書いて実行(サンドボックス) コード実行は書かれていない
ファイルの大きさ CSV・表計算は約50MB(行の大きさによる)。1ファイルの上限は512MB 1ファイル30MB(アップロードも作成したファイルも、コード実行の機能のページ)。1チャット最大20ファイル 1ファイル100MB。1回のプロンプトに最大10ファイル
グラフ 静止画のグラフを作れる。対話式のグラフは、棒・折れ線・円・散布図に対応 PNGのグラフ。数式とグラフ入りの.xlsxも作れる 表計算からグラフを作るよう頼め、種類やラベルを編集できる
結果の確認 生成されたコード、出力、前提を確かめるよう書かれている 出力は、必要に応じて確かめて直す、と書かれている ファイルを正しく分析できないときは、再アップロード

ChatGPTのヘルプには、Pythonの環境は外のウェブやAPIにつなげないので、データはアップロードするか、連携で渡す、ともあります。ChatGPTのファイルの総量には別の決まりがあり、1人25GB、3時間に80ファイルまで、Freeは1日3アップロードまでです(File Uploads FAQ)。ピーク時は下がることがある、とも書かれています。

Geminiの計算の仕組みについて、読めたこと・読めなかったこと

Googleの開発者向けの文書(Gemini API)には、コード実行の機能があります。モデルがPythonを書いて実行し、結果を答えに使うもので、使えるのはPythonだけ、37のライブラリ(numpy、pandas、matplotlib、scikit-learnなど)、実行は最大30秒、エラーのときはコードを最大5回まで書き直すことがある、とあります。入力ファイルはテキストとCSVで最もよく動く、とも書かれています。

ただし、これはAPIのページで、Geminiアプリが同じ仕組みを使っているかは書かれていません。Geminiアプリのヘルプにも、コード実行の説明はありません。この記事は、実際に使って確かめた記録ではありません。使っていると決めつけず、結果の確かめ方を、より厳しくするほうが安全だと思います(見立てです)。

数字を信じる前に確かめること

見立てです。公式のヘルプの注意と、仕組みの説明から組み立てました。各社の推奨手順ではありません。

1. 渡す前に、表を整える。 ChatGPTのヘルプは、1行目に分かりやすい見出しを置く、1行に1件、関係のない表を1つのシートに混ぜない、データを分ける空行や空列を避ける、値が画像になっているものは避ける、と書いています。値が画像になった表や、スキャンした書類は、正確な値を取れないことがあるとも書かれています。Claudeのヘルプも、PDF以外の文書は文字だけを取り出し、埋め込まれた画像は読まないとしています。

2. 何を知りたいかを書く。 ChatGPTのヘルプは、知りたいこと、使う列、計算、グループ分け、グラフの種類を伝えるよう勧めています。方法やグラフの種類が意図と合わないことがあるので、必要なら指定する、とも書かれています。

3. まず、「どんな表だと理解したか」を言わせる。 行数、列名、各列の型(数字か文字か)、空欄の数を答えさせます。ここが違えば、あとの計算は全部ずれます。行数は、自分の表計算で数えた数と、すぐ比べられます。

4. 方法を見せてもらう。 ChatGPTは、特定の方法を見せたり、変えたりするよう頼めます。コードが読めなくても、「どの列を、どの条件で絞って、何を合計したか」を日本語で説明させることはできます。

5. 数字を、2つ3つ、手元で再計算する。 合計、平均、特定の月だけの値などを、表計算の関数で計算して、突き合わせます。合っていればよい、というより、ずれたときにすぐ気づける状態にしておくための確認です。

6. 外れ値と、空欄の扱いを聞く。 空欄を無視したのか、0として扱ったのか、外れ値を除いたのか。除いたなら、どの行か。ここは、AIが黙って決めやすい部分だと思います(見立てです)。

7. 結果が不完全に見えたら、分けて頼む。 ChatGPTのヘルプは、特定のシート、行、列を指定する、ファイルを分ける、と書いています。数式が多いファイルは、大きさの上限の内側でも処理に影響がある、とあります。

8. 作ってもらった表やグラフは、もとの数字と突き合わせてから使う。 Claudeは数式入りの.xlsxを作れますが、その数式が意図どおりかは、別の話です。

渡してよいデータかを先に考える

表には、名前、住所、電話番号、顧客ごとの購入履歴のような個人情報が入りがちです。個人情報保護委員会が2023年6月2日に出した生成AIの注意喚起には、次のような趣旨が書かれています。

これは助言ではなく、公式の文書を読んでまとめたものです。2023年の文書なので、現行の運用は、委員会の最新の案内で確かめてください。

サービス側の扱いも、読んだ範囲で書いておきます。ChatGPTでは、チャット内のファイルはチャットの保持期間と同じで、Advanced Data Analysisなどで処理したファイルの保持期間はプランで変わると書かれています(期間の数字は書かれていません)。学習への利用については、API・Enterpriseなどのビジネス向けでは顧客が送った内容を学習に使わないと書かれていますが、個人向けの扱いは読んだページに書かれていませんでした。Claudeのヘルプは、外部のファイルやサイトに紛れた指示で、会話の中のデータが第三者へ送られるおそれがあると注意し、AIの作業を見守り、予想外にデータに触れたら止めるよう勧めています。ネットワークの送信(Allow network egress)は設定で切り替えられ、Free、Pro、Maxでは既定でオンと書かれています。

見立てです。個人情報の列(名前、連絡先など)は、分析に要らなければ、渡す前に消すか、番号に置き換えるのが無難だと思います。会社のデータなら、所属先の決まりが先です。

場面別の選び方の目安(見立てです)

気をつけること

出典

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